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医療事故を未然に防止するために

理事長 土谷晋一郎

平成14年4月17日、厚生労働省にて、第5回医療安全対策連絡会議が開催されました。平成13年5月に設置された医療安全対策検討会議で、のべ12回にわたる審議の結果、取りまとめられた報告書「医療安全推進総合対策」の説明がおこなわれ、各医療関係団体で積極的に医療安全対策に取り組むよう指導がありました。この報告書では主として医療事故を未然に防止するためにはどのような対策を講じるべきかという観点から検討が行われ、我が国の医療に、患者様の安全を最優先に考え、その実現を目指す「安全文化」が熟成され、国民から信頼される医療が安全に提供されることを願う報告書であります。事故の予防に重点をおいて考えられており、「誤り」に対する個人の責任追及よりも、むしろ、起こった「誤り」に対して原因を究明し、その防止のための対策を立てていくことが極めて重要であることを強調しています。「医療を受ける主体は患者様本人であり、患者様が求める医療を提供していく。」という患者様の視点に立った医療を実現する必要性を強調しています。

全ての病院及び有床診療所に対して以下の4項目の安全管理体制が義務化されました。

  1. 安全管理のための指針の整備
  2. 事故等の院内報告制度の整備
  3. 安全管理委員会の開催
  4. 安全管理のための職員研修の開催

本年10月16日までに所定の届出書の提出を行い、10月31日までに受理されない医療機関は、「医療安全管理体制未整備減算」(マイナス10点/日)として自動的に減算されることになりました。さらに、特定機能病院、臨床研修指定病院に対しては、以下の3項目の安全管理体制が義務化されました。

  1. 医療安全管理者の配置(特定機能病院は専任化)
  2. 医療安全管理部門の整備
  3. 医療内容に関する患者様の相談窓口の設置

さらに、指導していく項目として、以下の4項目が挙げられました。

  1. 安全に配慮した人員の配置
  2. 標準化等の推進と継続的な改善
  3. 医薬品・医療器具の安全管理の徹底

日本病院会医療事故対策委員会の報告(平成12年11月30日)によると、事故の種類については、1位:転倒・転落(24.4%)、2位:注射・投薬(17.6%)、3位:患者様の誤認(7.4%)、4位:ルートトラブル(6.5%)となっており、事故の原因は、1位:不注意(28.4%)、2位:思い込み(14.5%)、3位:患者様の状態把握不足(10.7%)となっていました。医療従事者が、一段の注意を払い、ダブルチェック、複数者による確認を行えば、予防しうる事故が殆どでした。

医療安全推進総合対策の中で「医療安全を確保するためには、全ての医療従事者が医療機関の一員として安全対策に取り組むべきであり、個々の医療行為に関する知識や技術に加えて、組織の一員としてチーム医療に取り組むための意思疎通と連携の在り方についての心構えや態度を身につけることが必要である。さらに、患者様と医療従事者の間にある情報知識の格差や患者様の心理的重圧等に配慮して、情報を単に提供するだけでなく患者様と十分に対話をするなど、常に患者様のために医療を実践する姿勢を持つことが必須である。特に、高度な医療を実践する技術よりも、安全に医療を提供できる能力が優先されるべきことや、チームの安全機能を高めるためには、他の医療従事者からの指摘や注意に謙虚に耳を傾けるオープンな人間関係が重要であることを十分に認識しなければならい。」と指摘しています。患者様と十分会話ができることと、医療スタッフ間でオープンな人間関係を構築することが、一番大切です。

今後、我々は、医療機関において医療安全を確保するために、医療全体の質の向上を目指し、組織全体を適正に管理し、日々の安全対策を行うことを徹底し、リスクの高い分野については優先的に解決していきたいと考えています。他産業の品質管理の手法を医療分野にも積極的に取り入れるよう検討し、患者様へ医療内容等に関する十分な説明や情報提供が行える体制を整備すべく努力したいと思っております。