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土谷総合病院

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不整脈センター

カテーテルアブレーション治療心房細動心房細動に対するカテーテル治療(アブレーション治療)ペースメーカー治療スタッフより診療科へのリンク

不整脈センター タイトルと心電図

不整脈治療

不整脈... それは本来規則正しく打つはずの心臓が不規則に打つ病気の総称で、放置してよいものから早急に治療を要するものまで様々な不整脈があります。心臓の中には「電気」が流れており、心臓はその電気エネルギーを使って動いている、いわば「電動」の臓器です。この心臓の中を電気が流れる経路に何らかの異常を生じることにより不整脈は発生するのです。

不整脈の治療としては、薬物治療、カテーテル治療、ペースメーカー治療等があります。不整脈を「抑える」、「治す」、「緩和する」など個別に判断し治療方針を決定する必要があります。放置してよいものから、無症状でも治療が必要なもの、すぐに治療しないと命に関わるものなど個別に判断する必要があります。ぜひ専門医受診を!

1.カテーテルアブレーション 2.心房細動 3.ペースメーカー治療

カテーテルアブレーション治療

不整脈を「治す」唯一の治療

不整脈の治療には、薬物治療、カテーテルアブレーション治療、ペースメーカー治療などがありますが、ここではカテーテルアブレーション治療を取り上げます。

薬物治療との最大の違いは不整脈を「根治」に導く治療法であることです。薬物は不整脈を「抑える」ことを目的とすると捉えてよいでしょう。

脈が突然早くなったり乱れたりする「頻脈性不整脈」に対して行われ、代表的対象疾患は、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍症、心房頻拍症、心室頻拍症、心室性期外収縮などです。

鼠径部(足の付け根)や肩の静脈から細い電線(電極カテーテル)を数本挿入し、心臓内の不整脈発生源に対して高周波電流を通電することにより焼灼する治療法です。疾患にもよりますが、多くは静脈麻酔による深い睡眠下に行い、1〜3時間程度の治療時間がほとんどです。

カテーテルアブレーション治療の様子

土谷総合病院不整脈センターでは、年間300例を超える治療数を維持しており、近年では心房細動に対する治療の比率が増えており、アブレーション治療の7割を超える割合となっています。

アブレーションに使用する機器として、3次元マッピングシステム(Ensite NavX, CARTO)や高周波アブレーション装置、心房細動アブレーションにおいては冷凍凝固アブレーション装置など最新式の機器を使用して治療を行っています。また、治療時は静脈麻酔などを併用して術中の苦痛が最小限になるよう配慮して治療を行っております。

土谷総合病院でのカテーテルアブレーション数の推移

心房細動

不整脈の一つでありながら、脳梗塞や心不全の原因となる恐ろしい病気

「心房細動」は本来規則正しく打つはずの脈が全くばらばらに打つ不整脈です。心臓は電気のエネルギーで打つ臓器ですが、心房細動時は心臓の上半分、すなわち心房の中を電気が走り回ることにより心房が震えたような状態となっています。このため心房の本来の収縮性が失われ、心房内で血流がよどみ、血の塊(血栓)が形成されることがあります。これが血流に乗り脳に飛ぶと血管を閉塞し重篤な脳梗塞を発症するのです。また、心房細動時には極端な頻脈が持続することがあり、心臓が疲労し心不全を発症する場合があります。

心房細動が発生すると多くは動悸や息切れといった自覚症状を感じますが、2〜3割の患者さんは無症状であると言われています。この無症状の方を含めると後期高齢者の方においては5%程度に心房細動を有しているとも言われており、今後の社会的にも最も注目される疾患です。

心房細動は進行する病気でもあります。当初は生じる頻度も少なく、生じても短時間で自然に止まりますが、次第に頻度が増え、止まりにくくなり最終的には慢性化します。

症状がないため気づかないうちに心房細動が進行し、脳梗塞になって初めて心房細動であったことに気づくケースもあります。

定期的検診などにより、積極的に心房細動を発見する心構えが必要と言えます。

心房細動の治療法

心房細動の治療法には「3本の柱」があります。

1. 抗凝固療法

心房細動の合併症である脳梗塞を防ぐために血液を固まりにくくするお薬を飲んで、心臓に血栓ができるのを防ぐ治療です。特に、75歳以上の方、高血圧や糖尿病を合併している方、心不全を有する方、脳梗塞の既往がある方は服用が勧められます。以前はワルファリンという薬剤のみで食事制限などもありましたが、最近では新薬も登場しており治療の幅が広がりました。

2. 抗不整脈薬治療

心房細動の発生を「抑え」て頻度を少なくしたり、発生した時にできるだけ早く止めたり、極端に脈の数が増えないようにしたりするのに使用します。発作の頻度が多い場合には定期的に内服して発作を予防するようにしますが、頻度が少ない場合は屯用で使用する場合もあります。内服薬で停止しない場合には静脈注射で発作の停止を試みることもあります。

3. カテーテルアブレーション

足の付け根(そけい部)からカテーテルを挿入し、心房細動の根本的原因である肺静脈からの異常な電気興奮が心臓に入ってこない様に遮断することにより心房細動を「治す」治療法です。最近では根治を目指して本治療を希望される方が増えています。詳細は別項をご参照ください。

心房細動に対するカテーテル治療(アブレーション治療)

心房細動の原因となる異常な電気信号を遮断する

心房細動の根本的原因は何か?そのほとんどは、心臓と肺の間にある血管(肺静脈)から発生する異常な電気信号とされています。肺静脈内から突如一分間に500回あるいはそれ以上の電気興奮が発生し一気に心臓に流入することにより心房を痙攣状態に陥れるのです。

心房細動を根治させるためにはこの異常な電気信号の流入を遮断する必要があります。カテーテルを使用して肺静脈の入り口周囲を電気的に焼灼する、あるいは冷凍させることにより電気を遮断する方法が肺静脈隔離アブレーション治療です。

手遅れにならないうちに

一回のアブレーションにより心房細動が根治される率はまだ心房細動が慢性化していない「発作性」心房細動の方で80-85%程度、心房細動が慢性化してしまった「持続性」心房細動では、その期間が長くなるほど成功率は下がってしまいます。特に無症状の方は治療のタイミングを逸してしまいやすいと言えます。心房細動根治のチャンスを逃さないように是非専門医にご相談ください。

ホット?アイス? 2種類のアブレーション法

1. 高周波カテーテルアブレーション

左心房に挿入した一本の治療用カテーテルを術者が操作し、肺静脈の入り口周囲を1ポイントずつ高周波電流を通電し円周状に「焼灼」し電流を遮断する方法です。

2. 冷凍凝固アブレーション

バルーン状のカテーテルを肺静脈の入り口にはめ込み、亜酸化窒素ガスを注入することにより「急速冷凍」し電流を遮断する方法です。

どちらを使用するかは、心房細動の状態(発作性か持続性かなど)や、肺静脈の形態などにより判断し決定する必要があります。

発作性心房細動に対する成功率は両方法においてほぼ同等とされています。

冷凍バルーンを使ったカテーテルアブレーションの画像

※冷凍凝固アブレーションの模式図は日本メドトロニック社提供

心房細動アブレーションの適応について

ペースメーカー治療

徐脈に対するペースメーカー
ペースメーカー

心臓は電気のエネルギーを利用して動いています。心臓には自前の発電所の役割をする「洞結節」という部位があり、規則正しく電気を発生しています。洞結節で作られた電気は心房を拡がった後、電気の中継所である「房室結節」を通過して、ポンプの役割を果たす心室へ伝わり脈が作られます。

徐脈をきたす病気は、この洞結節(発電所)あるいは房室結節(中継所)の機能が低下することにより心臓内にうまく電気が伝わらず脈が遅くなるのです。

ペースメーカーは胸部皮下に電池の役割を果たす本体を留置し、心臓内に入れた電線と接続することにより、洞結節や房室結節の代わりに心臓に電気を送り込み心臓をうたせる装置です。

植え込み手術は局部麻酔あるいは静脈麻酔にて行い、1〜2時間程度の術時間です。ペースメーカーの電池は最近では10年程度もつことが多く、消耗すれば本体の交換手術が必要です。

致死的不整脈に対するペースメーカー

不整脈の中でも心室頻拍、心室細動は命に直結する可能性のあるもので致死的不整脈と言います。基礎に心疾患を有し心臓の機能が低下している人に起こりやすいですが、稀に基礎心疾患のない例に起こることもあります(特発性)。このような不整脈が発生した場合、早急に停止させる必要があり、この役割を果たすペースメーカーが植え込み型除細動器(ICD)です。徐脈性不整脈に対するペースメーカーと同様、皮下に本体を植え込み、電線を心臓内に留置し、致死的不整脈を検出した場合は自動的に本体から直流電流を放出し電気ショックを心臓に与えることにより不整脈を停止させます。

心不全に対するペースメーカー

心臓のポンプとしての機能を果たす心室は、右脚、左脚を下降する電気により左右均等に収縮し効率よく血液を体に送り出すしくみとなっています。しかし、心臓の筋肉の疾患などで心機能が非常に低下した状態は、左脚などの伝導路が切れてしまったり、心筋そのものが障害されたりして心室の収縮が「振り子」のように左右不均等となり、さらに心臓のポンプ機能を低下させる原因となります。このような心不全に対して、心室の左右に電線を挿入し、ペースメーカーから電気を送り込み左右均等に打たせる様に矯正する治療が心臓再同期療法(CRT)と言います。

心不全の方には致死的不整脈も合併しやすいため、ICDとCRTの両方の機能を備えたペースメーカー(CRT-D)もあります。

スタッフより

同じ心臓の病気と言っても疾患は多岐にわたり、最近ではそれぞれの領域で専門性の高い診断、治療がなされる様になってきています。

土谷総合病院不整脈センターは、不整脈を専門領域とした医師および臨床工学技士により構成されています。

外来診療では不整脈外来、ペースメーカー外来といった専門外来を設置し、不整脈の診断、ペースメーカーフォローなどを行っております。ペースメーカーの状態を無線で管理する遠隔モニタリングも導入し、不整脈イベントやペースメーカー異常の早期発見、対応に努めています。

入院診療ではアブレーション治療、ペースメーカー植え込みを始め、種々の病態に対してチームで取り組んでおります。 最良の診療が提供できる様、全力で取り組んでおりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

土谷総合病院 不整脈センター スタッフ

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