Introduction of Department
子宮筋腫や子宮腺筋症に由来する症状によって低下した生活の質を、低侵襲の手技で改善させるとともに、子宮の形態と機能を温存することを目的とした治療です。子宮を栄養する主な血管である子宮動脈に塞栓物質を注入し、閉塞させる手術です。産科では、危機的出血や遺残胎盤に対する止血目的でも行われます。
筋腫の位置や大きさ、治療時の年齢などを考慮して、以下から選択します。
2015年から2021年まで、61例のUAEを行っています。そのうち、子宮筋腫(子宮腺筋症、子宮出血止血を含む)に対するUAEは55例でした。他の6例は、妊娠出産に関連した疾患に対して行われました。術後の主な合併症としては、程度の差はありますが、塞栓術後症候群を多くの方に認めます。筋腫の経腟的自然排出が8例、UAE後に経腟的に筋腫摘出術をおこなったものが2例ありました。治療を要する感染症が7例あり、そのうち1例は子宮摘出術が必要でした。
手術前日に入院し、手術を行い、2日後に退院します。経過に異常がある場合、それに応じて入院期間が延長されます。症状のある子宮筋腫に対しての治療は、保険が適用されます。
子宮筋腫による圧迫症状の改善を目的としてUAEを行いました。
UAEから約1ヶ月後に壊死した筋腫が自然排出され、3ヶ月後のMRIでは子宮筋腫はほぼ消失していました。多くの症例では縮小した筋腫は残存しますが、その場合でも症状の改善による生活の質の改善が期待できます。
参考文献