土谷総合病院

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心臓血管外科記事

心房細動の治療法〔胸腔鏡下左心耳閉鎖術(ウルフオオツカ法)〕について

心房細動は放置しておくと、年間4〜8%の脳梗塞をきたしてしまう可能性があり、予防のためには抗凝固薬を一生飲まなくてはなりません。その予防効果により、脳梗塞の発症は年間2〜4%程度に抑えることができるといわれています。
しかし、高齢になればなるほど抗凝固薬による出血性合併症(脳出血や消化管出血など)をきたしやすく、飲み続けることで薬代もかかってしまいます。
最近の見解では、心房細動によってできる左心房内血栓の99%は、左心耳にできることが知られています。つまり、左心耳を切除したりクリップしてしまえば、かなりの確率で心房細動による脳梗塞を予防できることになります。また、左心耳切除を行うことで抗凝固薬を中止することができ、脳梗塞の発生も年間0.25%程度に抑えることができます。
約10年前より大塚俊哉先生(現ニューハート・ワタナベ国際病院)らが考案した胸腔鏡下左心耳切除術(ウルフオオツカ法)により、5-10mm程度の穴を4ヶ所あけるだけで、左心耳切除術および心房細動手術が可能となりました。入院期間は、約7日間程度です。

2022年4月1日より胸腔鏡下左心耳閉鎖術が保険適応となりました。
以下のような心房細動患者様がおられましたら、是非ご相談ください。

  • 抗凝固薬内服中にもかかわらず、脳塞栓症を発症した方
  • 出血性合併症でお困りの方
  • 出血リスクの高い方(高齢や抗血小板剤および抗凝固剤を2剤以上内服中など)
  • QOL改善のため、抗凝固薬をやめたい方
胸腔鏡下左心耳閉鎖術(ウルフオオツカ法)