土谷総合病院

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診療科・各部門

Introduction of Department

くすりの窓

日ごと暖かさの増す快い季節となりました。桜の蕾も膨らんで、いよいよ春の訪れが感じられます。

今回のテーマは 薬剤師のしごと(外来編) についてです。

 

2023年3月

普段どんな仕事をしているのか?

私たち薬剤師が、普段どんな仕事をしているのか? 

今回は、当院外来で患者さまにお薬をお渡しするまでの流れをお伝えします。

当院では、院外処方せんを発行していません。そのため、当院で処方されたお薬はすべて院内薬局にて調剤・鑑査をおこない、薬局窓口にて患者さまにお渡ししています。

お薬ができるまで...

お薬が患者さまに渡るまでには、さまざまな過程を経ています。それぞれの工程でどのようなことがおこなわれているのか紹介します。

■お薬ができるまでの流れ

  1. 医師による処方
  2. 処方鑑査
  3. 疑義照会
  4. 調剤
  5. 最終鑑査
  6. 薬局窓口にてお渡し
医師による処方

診察後、医師が患者さまの状態を考えて処方を決め、電子カルテから薬局に送られます。処方せんを書く権利 (処方権)は、医師のみが持っており、私たち薬剤師にはありません。

処方鑑査

医師から送られた処方せんが薬局に届いた後、処方せんの内容が適正かどうか確認をおこないます。

確認項目の例としては...

【処方せんの内容からわかること】

  • 年齢や性別
    →年齢や性別による制限がある薬の確認をします
  • 腎臓や肝臓の機能
    →腎臓や肝臓の機能によって用量調節が必要な薬があります
  • 電解質などの検査値
    →副作用の発現の可能性を確認します。また、薬剤によっては、きちんと効果が得られているかどうかの確認をします
  • 併用禁忌や併用注意
    →併用出来ない薬や、併用する場合注意が必要な薬の確認をします/li>

【電子カルテシステムからわかること】

  • 前回処方との比較
    →医師の記録との相違などから処方の確認をします。
  • 他科との重複
    →当院で複数科受診されている場合には、同種同効薬が処方されていないか確認をします
疑義照会

前述の「2.処方鑑査の段階」で、処方内容に不明点や重複投与、相互作用などがある場合には処方医に問い合わせをします。これは法律でも決められており、薬剤師法第24条において「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。」と定められています。

日本薬剤師会の調査によると、ある年の処方せん発行枚数に対する疑義照会は約2.6%(処方せん約39枚に対して1枚)、そのうち処方変更となった割合は約75%(疑義照会をおこなった処方せん約4枚に対して3枚)です。また、重篤な副作用が回避できた事例は5.1%(疑義照会をおこなった処方せん約20枚に対して1枚)となっています。

割合でみると少なく感じられるかもしれませんが、調査がおこなわれた年は1年間で7億8千万枚以上の処方せんが発行されています。この数字から換算すると、重篤な副作用の発生を1年で103万件近く回避している計算になります。

調剤

処方せんをもとに、お薬を準備します。

  • 錠剤やカプセル剤
    →処方せんに記載されているお薬の剤形や規格、破損の有無を確認し正確に取り揃えます。また、場合によっては軟膏壺に薬を詰めたり、異なる2剤の軟膏やクリームを混ぜ合わせたりします
  • 外用剤
    →処方せんに記載されているお薬の剤形や規格、破損の有無を確認し正確に取り揃えます。また、場合によっては軟膏壺に薬を詰めたり、異なる2剤の軟膏やクリームを混ぜ合わせたりします
  • 水剤
    →処方せんに基づき、年齢や体重などから服用量を計算確認した後、正確に量りとり処方量に合った水剤ボトルに注ぎます。このとき、遮光が必要な薬については、茶色の褐色瓶を使用します
  • 粉薬
    →処方せんに基づき、年齢や体重などから服用量を計算確認した後、正確に量りとり、よく混合して 機械で一回分毎に分包します
  • 一包化
    →3種類以上の錠剤やカプセル剤(一包化出来ない薬剤は除きます)が処方された場合、飲み忘れや 重複服用を防止するために、錠剤を飲むタイミングごとに機械を使って一包にまとめます。1剤からでも一包化可能ですので、ご希望の方はお申しつけください
最終鑑査

調剤されたお薬が処方せんの内容通りか、処方せんの内容が正しいか、など調剤した薬剤師と異なる薬剤師が最終確認をおこないます。

薬局窓口にてお渡し

薬局窓口では、電子カルテの情報と照らし合わせ必要に応じて説明書を用いてお薬の説明をおこなっています。また、お薬手帳をお持ちの患者さまについては、手帳ラベルをお渡し、他院から処方されている薬との相互作用などもあわせて確認をおこなっています。

ご理解とご協力をお願いいたします

ご紹介した通り、私たちの仕事は処方せんを見てただ薬を渡す業務ではありません。患者さまに薬が渡るまでにはさまざまな工程があります。そのため、一つひとつの工程を丁寧確実におこなうためには想像以上に時間がかかる場合があります。

患者さまの安全と安心のため、日々業務をおこなっておりますので、何卒ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。